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爆破予告で潰された東大五月祭 言論を暴力で封じる者たちの正体を問う

東大五月祭中止

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学園祭を楽しみにしていた学生たちの1年がたった1通のメールで奪われた。

5月16日、東京大学本郷・弥生キャンパスで開催された第99回「五月祭」

例年500近い団体が出展し2日間で約15万人が訪れるこの伝統行事が初日の午後に突然すべて中止になった。

理由は、爆破予告。

キャンパスを爆破するという犯行予告メールが、五月祭常任委員会と特定の企画団体に届いたという。

大学と警察が協議し安全確保が困難と判断。

16日午後の全企画が打ち切られた。

模擬店の仕込み、ステージの準備、研究発表のリハーサル。

何か月もかけて準備してきた学生たちの努力が、一瞬で水泡に帰した。

「青春の1日は取り返せない」と嘆く東大生の声が、胸に刺さる。

では、この爆破予告は何を狙ったものだったのか。

ターゲットは明確だった。
保守系学生サークル「右合の衆」が企画した、参政党・神谷宗幣代表の講演会。

同日正午から法文1号館で予定されていたこの講演には、神谷氏のほか参政党の塩入清香参院議員、右合の衆の山田泰代表が登壇するはずだった。

「神谷議員が来るので爆破します」

警視庁によれば、そんな内容のメールが届いていたという。

殺害をほのめかす文言もあった。

しかも爆破予告の前から妨害の動きはすでに始まっていた。

講演の5日前、5月11日にはXで「差別とデマのない五月祭を」と名乗るなりすましの学生有志アカウントが始動。

神谷氏の過去の発言を「差別的・非科学的」と断じ講演の自粛を強く求めた。

当日の朝には、正門前で20人ほどがプラカードを掲げてスタンディング抗議を展開。

さらに講演会場につながる階段では座り込みが行われ聴衆が教室に入れない状態に。

つまり、爆破予告が届く前の時点で講演はすでに物理的に封じられていた。

「考えが違う」だけで脅迫していいのか

神谷氏は18日の記者会見で怒りをにじませた。

「考え方や意見が違うからといって、脅迫をしたり、観客を入れなくすることは言論にとって良くない」

「学生さんとディスカッションする機会を奪ったことは、ゆゆしきことだ」と。

参政党は昨年の参院選で「日本人ファースト」を掲げ、一部から「外国人排斥だ」と強い批判を受けてきた。

昨年8月の街頭演説では、霧を噴霧して妨害した男が今年1月に威力業務妨害容疑で書類送検されている。

妨害行為は年々エスカレートしているという現実。

街頭演説への大音量の妨害から始まり、ついには大学の学園祭を巻き込んだ爆破予告にまで発展した。

神谷氏は会見で自党の外国人政策について改めて説明している。

「過剰に外国人を受け入れて安い労働力として使うことは、日本経済にとっても来られる外国人にとっても良くない」

「『日本人ファースト』は外国人セカンドではない。日本でまじめに働いている人の暮らしを最優先に制度設計するということだ」

賛否はあっていい。
政策への反論も批判も大いにやるべきだと思う。

でも、爆破予告や座り込みで講演そのものを潰すのはそれは「批判」ではない。

ただの暴力だ。

わたしが気になるのは、こうした妨害活動の背景にある組織的な動き。

Xなどを見ていると、「共産党の別動隊」と指摘される団体の関与を疑う声が少なくない。

真偽の確認は必要だけれど一連の抗議活動が個々の学生の自発的な行動だけで説明できるのか疑問は残る。

正門前でプラカードを掲げていた人物がすべて東大生だったのかどうかもはっきりしていない。

もし特定の政治勢力が裏で糸を引いているなら、それは学生を利用した言論封殺そのもの。

民主主義への重大な挑戦にほかならない。

国会でも問われた「言論の自由」の危機

5月20日の党首討論。
神谷氏は高市早苗首相に対しこの問題を「言論封殺の危機」として正面から取り上げた。

「東大で予定されていた私の講演が爆破予告、殺害予告、入り口には座り込みで開催できない事態になり、学園祭自体が中止になった」

「演説を妨害する、講演を中止させるといったことは、民主主義の根幹を脅かす行為だ」

これに対し高市首相は、選挙妨害に関してのみ答弁。

「現在の公選法にも自由妨害罪がある。虚偽の発信も法に抵触する」としつつ、「規制を強化するかは民主主義の在り方に関することなので、国会で各党各会派の議論をいただかなければならない」と述べた。

正直に言えば、もう少し踏み込んでほしかった。

ただ、参政党が各党協議会を通じて選挙妨害対策を呼びかけていることに対し日本維新の会以外の反応は乏しいという。

参政党が妨害にあっていること自体「知らなかった」という政党もあるらしい。

なんとも情けない話。

一方、主催した「右合の衆」の山田泰代表は爆破予告をした人物への刑事告訴を検討していると明かした。

6月5日には、神谷氏と山田代表が議員会館で改めて議論の場を設ける予定だという。

潰されたならまた立ち上がればいい。その姿勢は頼もしい。

翌17日、五月祭は手荷物検査など警備を強化したうえで再開された。

正門前には長蛇の列ができたけれど、学生たちは2日目の学園祭を無事に楽しんだ。

けれど、わたしたちが忘れてはいけないことがある。

「気に入らない意見は暴力で潰していい」

もしこの前例が通ってしまえば、次に狙われるのは誰だろう。

参政党だけの問題じゃない。

右でも左でも、どんな立場の人間であれ自由にものを言える社会を守らなければ民主主義は死ぬ。

言論には言論で応じる。

当たり前のこのルールをわたしたちはいま一度、胸に刻むべきだと強く思う。

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