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中国大好き前川喜平の「中国に領土的野心はない」発言が映す 現実離れした安全保障観の危うさ

ビーチ前川

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「中国が日本に領土的野心を見せたこと、一度でもあるか?」
この言葉を目にしたとき、思わず二度見してしまった。

元文部科学事務次官の前川喜平が4月2日にXへ投稿したこの一文。
政府が閣議決定したシェルター整備の基本方針に対し「そんなものに税金使うな!」と怒りをぶつけた内容だ。
正直なところため息しか出ない。

尖閣諸島の周辺海域では中国海警局の船が繰り返し領海に侵入している。
もはや「たまに来る」というレベルではない。ほぼ日常的にだ。

さらに令和6年8月には中国軍の情報収集機が鹿児島県西部の上空で領空侵犯を行い自衛隊がスクランブル発進する事態にまで発展した。

民間機の計器トラブルなどではなく明らかに意図的な飛行だったとされている。

これを「領土的野心がない」と言い切れる神経がわたしにはどうしても理解できない。

「備え」を否定する言葉の無責任さ

前川氏は高市早苗総理に向けて「ホントにマジに訊きたい」と書いていた。けれど、ホントにマジに訊きたいのはこちらのほうだ。南シナ海で何が起きてきたか、ご存じないのだろうか。

フィリピンやベトナムが領有権を主張する岩礁を埋め立て、軍事拠点を次々と建設してきたのは中国である。既成事実を静かにしかし着実に積み上げていく。
それが中国の一貫したやり方だと多くの専門家が指摘してきた。

台湾海峡の緊張も年を追うごとに高まっている
こうした現実を無視して「野心はない」と断言するのはあまりにも乱暴ではないか。

シェルターの整備は攻撃を仕掛けるための準備ではない。国民の命を守るための「受動的防御」にあたるものだ。
ロシアがウクライナの都市部に対して行っている無差別的な攻撃を見れば、一般市民が逃げ込める場所の有無がどれほど生死を分けるか痛いほどわかる。
しかも近年はドローン技術の発達で、こうした攻撃のコストは大幅に下がっている。

つまりシェルターの必要性はむしろ高まっている。

政府の基本方針では地下街などを活用して2030年までに市区町村単位で人口カバー率100%を目指すとしている。
これは決して過剰な投資ではなく、最低限の備えだとわたしは思う。

「何も起きない」は願望であって根拠ではない

ネット上の反応を見ても、前川氏の投稿に賛同する声はごく少数だった。
「めっちゃ尖閣に領海侵犯してるじゃん」「現実を見てない」「何も起きない前提で考えるのは願望に過ぎない」
至極まっとうな指摘が並んでいる。

わたしが気になるのはこうした事実を踏まえない発言が元官僚の口から出てくること自体の危うさだ。
前川氏は以前SNSで日本国旗を燃やすといった趣旨の発信をしたとも報じられている。
政治家というより活動家に近いという声があるのもうなずける。

もちろん、税金の使い道に意見を持つのは自由だし、防衛費のあり方を議論すること自体は健全なことだ。ただし、その議論の前提となる事実認識が根本的にずれていたら、議論そのものが成り立たない。

「一度でもあるか?」という問いかけに対する答えは残念ながら「何度もある」だ。

わたしたちの暮らしは目に見えない安全保障の土台の上に成り立っている。
毎朝あたりまえのように子どもを学校へ送り出しあたりまえのように電車に乗って仕事へ向かう。
その「あたりまえ」を支えているのが抑止力であり備えだ。

備えがあるから攻撃を思いとどまらせる。その備えを「不要だ」と叫ぶことは、抑止のハードルを自ら下げることに等しい。

問題は起きてからでは遅い。起きる前に何をしておくか。それだけのシンプルな話を、なぜここまでねじ曲げられるのか。不思議でならない、その鈍感さが。

テレビの報道番組では、こうした前川氏の発言が批判なしに流れることもある。けれどネットの反応を見れば、多くの国民はちゃんと現実を見ている。わたしたちはもう、誰かの願望に付き合っているほどのんきではいられない。

守るべきものがある。だからこそ備える。
それは右とか左とかの話ではなく日本に暮らすすべての人に関わる話だと強く思う。

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