
たった2週間前に日本を名指し同然で非難した国が、手のひらを返して「お金をください」と言ってきた。
これ冗談じゃない。
実際に起きたことだ。
2026年6月17日、中国とミャンマーは共同声明を発表した。
ミャンマー親軍政権の大統領を務めるミンアウンフライン氏が北京を公式訪問し習近平国家主席と会談。
その結果出された声明に、こう明記されていた。
「軍国主義の復活といった地域の平和と安定を脅かすたくらみに反対する」
名指しこそしていないものの日本が念頭にあることは明らかだろう。
中国は高市政権が進める防衛力強化を「新型軍国主義」とレッテル貼りし、ロシア、北朝鮮、パキスタン、バングラデシュなど周辺国との会談でも同じフレーズをくり返している。
ミャンマーもその包囲網に加わった形だ。
ここまでなら、「ああ、中国のいつものプロパガンダにお付き合いしたのね」で済む話かもしれない。
ところが驚くのはこの後。
反日声明からわずか2週間 「ODAを再開してほしい」の厚かましさ
6月30日、ミャンマー親軍政権の報道官に就任したカインカインソー氏が首都ネピドーで記者会見を開いた。
2026年4月の「民政移管」以降、報道官が記者会見に臨むのはこれが初めて。
国際社会との関係再構築をアピールする狙いがあったとされる。
そこでカインカインソー氏は何と言ったか。
2021年のクーデター以降、日本が新規ODA事業を停止していることに触れ鉄道などのインフラに悪影響が出ていると指摘。
さらに「橋や道路のインフラ整備で多大な恩恵を受けた」と日本への謝意を述べたうえでODAの再開を求めたのだ。
ちょっと待ってほしい。
わたしはこのニュースを見て、目を疑った。
ほんの13日前に中国と一緒になって日本を「軍国主義」呼ばわりする声明に署名しておいて、その舌の根も乾かぬうちに「援助をお願いします」だなんて。
これ普通の人間関係に置き換えてみてほしい。
ご近所さんの悪口を町内会でぶちまけておいて、翌週その人の家に「お米分けてもらえませんか」とニコニコ訪ねてくるようなもの。
あまりにも虫がよすぎる。
しかも忘れてはいけない。
ミャンマー軍政は2021年のクーデターで民主的に選ばれた政権を武力で倒した。
民主派指導者のアウンサンスーチーは拘束され、いまも軟禁状態が続いている。
所在すら明かされず、安否を心配する声が世界中から上がっている。
日本政府がODAを止めたのは当然の判断だった。
クーデターで成立した軍政を正式に認めず新規事業を停止する。
民主主義を踏みにじった政権に日本の税金を渡すわけにはいかないという筋の通った対応だと思う。
やっていることが中国とそっくり 日本を非難しつつ日本に依存する矛盾
この構図どこかで見たことがある。
そう、中国とまるで同じだ。
中国は日本を「軍国主義」と批判しながら、経済面では日本企業の投資や技術を必要としている。
反日感情を煽る一方で、日本からの経済的恩恵はしっかり享受しようとする。
あの二枚舌をミャンマーがそっくりなぞっている。
相手を罵倒しながら援助だけはしっかりもらおうとする。
これが外交と呼べるだろうか。
中国の「軍国主義」キャンペーンもよく考えてみてほしい。
自国の軍事費を急激に増大させ、南シナ海や東シナ海で力による現状変更を繰り返しているのはほかでもない中国自身。
そして2021年にクーデターを起こし、自国民に空爆まで行っているミャンマー軍政が「軍国主義反対」を叫ぶ。
皮肉を通り越して、もはやブラックジョークとしか言いようがない。
わたしが気になるのは、こうした一連の動きが日本国内であまり大きく報道されていないこと。
6月17日の共同声明と6月30日のODA再開要求。
この2つをセットで伝えれば、ミャンマー軍政の二枚舌ぶりは誰の目にも明らか。
でも、テレビのニュースでこの矛盾をしっかり指摘した報道がどれだけあっただろう。
点と点をつなげて伝えるのが、本来メディアの役割のはず。
高市政権に求めたいのは、毅然とした態度の継続だ。
ODA停止の方針を簡単に揺るがせてはならない。
ミャンマーの国民を見捨てるという話ではない。
軍政に直接利益が流れる形での支援を拒み続けるべきだという話だ。
日本は戦後80年以上にわたって平和国家として歩んできた。
その日本を「軍国主義の復活」と呼ぶこと自体が歴史を歪める行為にほかならない。
中国の振り付けに乗って日本を非難しておきながら困ったときだけ頼ってくる。
そんな身勝手な要求に、わたしたちの税金を差し出す理由はどこにもない。
ミャンマーの一般市民には罪はなく、彼らの暮らしが苦しいのは胸が痛む。
けれど、その苦しみの原因をつくったのは軍政そのもの。
民主主義を回復しスーチー氏を解放し、国民への暴力をやめること。
それが国際社会との関係を再構築するための最低限の入口だとはっきり伝えるべきだろう。
助けを求めるならまず非難の手を下ろすのが先。
それすらできない相手には日本は堂々と「No」を突きつけていい。



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